2013年06月05日

お直し

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給食センターの新築工事と並行して、たまたまもう一件、市役所関連の工事を行う事になりました。

但し、コチラは修繕工事。
約15年前に弊社で新築工事を請け負った市内のこどもセンターで、建具周りのクラックを補修させて頂くことなった次第です。

さすがに15年も経つと、ここかしこの細かいところでは直しが必要になってきます。
いわゆる商業施設ではないため、エアコンの連続使用による乾燥などの負荷は恐らく少ないと思われますが、大きな地震も経験しておりまして、基本的に「固い」鉄筋コンクリート造となると、異素材との取合い部分など、ヒビが入りがちです。

今回修繕工事を行うに至った直接の要因も、躯体と建具の間に充填していたモルタルが落下する危険を考慮してのこと。
こどもセンターという建物の性格からしても、利用者=こどもの安全の確保が最優先となる訳で、この点に不安があれば、親御さんとしてもこどもを安心して遊ばせることは難しいでしょう。

せっかくのお直しの機会ですから、今後の事も考えてより安全な、メンテナンス性を重視した修繕を行います。十数年前の竣工当時・原設計状態への復旧に留まらず、現時点でベストと思われる修繕の方法を提案させて頂きましたが、この辺りの詳細については、また明日にでも。

取り敢えず、安全性確保のための工事が、それ自体こどもの遊びの危険要因となってしまわないよう、工事区画はキチンと示し、センターのスタッフの方による注意喚起、エントランスへの張り紙掲示など、利用者の方々へのアナウンスは欠かさぬ所存です。

できるだけ早く、安心して利用できる建物となるよう、駆け足ながらも安全第一で工事を進めます。

監督H


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2013年01月05日

そのまんま

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正月休み最後のリノベーション訪問は、表参道ヒルズ。
今更感満点ですが、まともに見に行くのは、今回が初です。

内部の第一印象は、大学時代に訪れたシンガポールだか、クアラルンプールだかの、ショッピングモール。
真ん中にドン!と吹抜けがあって、その周りをスロープが巡るという、空間構成が一緒です。
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意匠的には、クマさんのようにナチュラル感に頼らない点に、我が道を行く潔さを感じます。
建設屋視点で言えば、何気ないコンクリートの打放しにこそ細心の注意を払い、神経を尖らせたことを伺わせる仕上がりでした。
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尚、Pコン跡は敢えて仕上げ無しで、そのまんま見えてます。写真では見えにくくなってしまいましたが、覗くとセパが見えてます。
これだけの規模の建物ですから、中性化抑止のためには、屋内と言えども何らかの錆び止め措置が欲しいと思うのですが、お金が沢山あってオールステンレス製のセパ、ということでもなければ、クリアの錆び止めが塗布されているのかも知れません。

「リノベーション」というテーマに注目してみると、最も特徴的なのがこの棟。「同潤館」というらしいです。
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言わずと知れた同潤会アパートのリバイバルです。
但し、保存ではなく新築。意匠はそのままに再現する事で、記憶に刻まれた街の景観を後世に残す、という事らしいです。ご丁寧に、ツタまで這わせてました。
(あるいは人間の考えなど無関係に、ツタが勝手に這ってるのかも知れません。)

ならば、この雰囲気を残す方向を模索して欲しかったですね。
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記憶は結局、それを経験した本人の中にしか残らないもの。部分を残しても、写真を残しても、話で残しても、本来の感動や想いは、その時その場に居る当人にしか共有できないものだと思います。
ですから、もしもリノベーションで、その空間や建物の素晴らしさを「残したい」と考えるのであれば、これはもう、新築などよりよほどハードルの高い課題になるんだろうと思います。

とは言え、そんな課題を意識させるだけの刺激を常に発し続けるパワーは、表参道や青山の街ならではかも知れません。
やはりたまには都心の空気に触れて、お洒落心を磨かねば!と。
そんなことを考えつつ、幼稚園や小学校からの旧友との新年会に向かう夜でした。

監督H

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2013年01月04日

意外に凝ってると思ったら

正月休みのリノベーション建築行脚、パート2です。
リノベーションとは言っても、コチラは完全に建て直しですが。行って来たのは、新江ノ島水族館です。

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まず、目を引いたのはチケット売り場上に架かる大屋根。いわゆる張弦梁構造。結構な大スパンを、コジンマリとした構造で軽やかに飛ばしています。それ自体の意匠性を良いとか悪いとか言うのではないですが、何となく凝った造りの匂いがしてきます。

内部については、恐らくは複数階層に及ぶ巨大な水槽などを納める絡みから、RCの柱が随所に見受けられ、基本はRCのラーメン構造かと思われます。その基本の上で、天井高を確保しつつ、上の写真のエントランス部と水平なデッキスラブを構成するために、柱の「アゴ」に鉄骨梁を乗せている模様。多分。
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で、構造とは別に、意匠建築の巧さが見えるのが、エントランスゾーンから展示ゾーンに突入する間に設けられた、この景観。
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「借景」なんて言葉では収まらない、土地と建物の一体感のようなものを、存分に感じさせてくれます。
もともと、この江ノ島水族館は、国道を挟んで向かい側、つまり海とは反対側の、片瀬江ノ島駅に近い方に立地してたはずなんです。30年位前、私が幼稚園の遠足で初めて訪れたころから。
当時の淡い記憶では、何となく薄暗い建物にマンボウという不気味に巨大な魚が居た、という印象でしたが、これと比べると、今の水族館は、建築・展示ともに、非常に洗練されたイメージとなっています。

建築物のストックを再生する、というリノベーションの意図からは外れますが、同じ一団の敷地内で、同じ用途の施設を造ろうとするに当たって、ここまで優れた再解釈を行えるのであれば、プロジェクトとしてはこれが正解、と思わせてくれます。

さらに、これでもか!と言わんばかりの借景が下の写真。
イルカショーの背景には、海に浮かぶ江ノ島がスッポリと収まります。
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島自体にはおよそ足を運ぶことはありませんが、湘南という言葉から想起される一つのシンボリックなイメージが、オープンなピクチャーウィンドウにカチッとハマってますね。

帰ってからちょっとネットで調べてみると、設計者は安田幸一さんという、今は東工大の先生をやっている人でした。
たまたまなんですが、この人の設計したポーラ美術館という箱根の山奥の美術館がまた秀逸でして、私の好きな建物の一つなんです。
興味のある方は調べてみてください。私の感じる「ランドスケープつながり」に共感してもらえれば幸いです。

おまけは、男子の大好きなメカの展示。しんかい2000です。
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外部の好感度カメラ、資料回収ボックス、そして極めつけは左下部に見えるロボットアーム。
これはもう、完全にロボでしょう!

以上、イルカショーよりもその水槽のアクリルの厚さが気になる、レジャー気分0宣言のレポートでした。

監督H

posted by Soko Soyo at 23:18| Comment(0) | 改修工事いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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